WordCampTokyo2011を支えた技術 – 8F休憩スペース・ハンズオントラック

kmikageです。

8階の会場のWifiの構築を担当させて頂き、色々な技術を使ったので、ここでまとめたいと思います。

先にこちらのポストでお話はしていましたが、今回は技術的・政治的なお話になります。

【何が起きるかわからない。】

終わった後だから言えますが、実は前日の早朝に全ての設定が完了しました。
普段家庭用に市販されている機材ではなく、前エントリーで書いたようにCiscoやNECの業務用の機材の設定です。それなりに難しく、時間がかかります。

また、今回はハンズオンでの利用もあり、落ちないように気をつけました。。。

【そもそも論。】

実は8階では楽天さんからインターネット接続がお借り出来ず、WiMAXによる自営接続になりました。
ビルの8階ですので、窓際でも電波は弱くなります。

ハンズオントラックについてはnaoさんと検討しましたが、10〜15名のWifi利用を想定しました。
しかし、設計値=実際の利用数ではお話にならないので、15〜20名の利用で設計します。

また、ゲストWifiは低速でも人数をさばく事に注力しました。こちらの設計値はMAX100名です。
仮にTwitterクライアントやFacebookの通信だけでも通せるような値になると思います。

【実装 – 物理編】

全体の機材としては、このような形です。
実際にはかなりのオーバースペックかも知れませんが、「なるべく落ちない事」「人数が多くても安定していること」を重視した結果、このようなチョイスになりました。
いずれも、インターネットのコア部分などで採用される機器を製造しているメーカーの製品です。
WiMAXをのぞき、いずれもヤフオクで放出品を数千円で購入可能であり、自分でメンテすれば十分実用に耐えます。

【楽天タワーは異様に広い】

http://www.flickr.com/photos/makegoodtime/6408140335/

楽天タワーは非常に広く、食堂のような見通しの良い場所でも電波がカバーしきれませんでした。
上の写真(via MakeGoodTime)は誰もいない食堂ですが、前も後ろも続きがあり、見切れてしまっています。それくらい広いところです。

そこで、PoE(PowerOverEthernet)という、LANケーブル上に電源も通す技術を使い、エリアを広げます。
これには対応した機器の利用が必須なのですが、そのかわりLANケーブルが届く範囲であれば電源を配線する必要が無いメリットがあります。

今回、ゲスト用のアクセスポイントの1つをPoEにて接続し、窓側・フロア中央部分に配置しました。
これにより、奥のスタッフエリアでもインターネット接続が利用可能になりました。

【ハンズオンを落とさない技術】

さて、人間どうしてもUstやYoutube、ニコニコしたりしてしまうものです。
また、中には急遽必要になって大容量の通信が必要になる方も居るでしょう。

一応表向き「やらないでね」とは言いますが、バックアップはしていました。

今回、WiMAXの通信速度は約4Mbpsでした。
(上のスクリーンショットは自宅で撮り直したものです。)
これを、最大で120人で分け合う計算になります。
しかし、一人が大容量の通信をすると、他の人にも迷惑がかかります。

今回NEC IX2015を使用した理由は、帯域制御(トラフィックシェーピング)、つまり通信量を制限する機能がある為です。

4Mbps = ハンズオン+ゲスト ですが、
ハンズオン=4Mbps−ゲスト ではお話になりません。
では、頭を切り替えて、
ゲスト=4Mbps-ハンズオン とします。

具体的には、ゲストWifiに対して3Mbpsの帯域制御を掛けていました。
これにより、
ハンズオン=4Mbps – ゲスト(3Mbps) =1Mbps
となり、最悪の事態でも1Mbpsの通信をハンズオンに確保できます。
また、ハンズオンAPでは無制限に帯域を使う事が出来るので、ゲストAPで3Mbps使っていない場合、残りの帯域を使う事が可能です。

また、ハンズオンでの操作には、多少のばらつきがあり、ピーク時は遅くなるかも知れませんが、ばらついた分そこそこのスピードを確保する事ができます。

【WEPキー/WPAパスワードは慎重に決めよう。】

当日、8階にはこのような紙を貼っていました。

ゲストは「wapuu(5文字)」で調度良かったのですが、ハンズオントラックが良いものが無く、「naoko(5文字)」にしていました。
しかし、当日マクラケン直子さんにダメ出しされてしまい(苦笑)、急遽「wordcamp-2011(13文字)」に変更しました。

お気づきの方もいらっしゃるかも知れませんが、WPAではなくWEPにしたのは、機器の相性の問題を避けるためです。

しかし、人間の相性の問題が発生する前に技術要件をFIXする事も必要です。
人名・固有名詞を使う際は気をつけましょう・・・。(苦笑

【結果として】

8階のWifiの存在がそれほど周知されていなかったので、ユーザは少なめだったかと思います。
実際のところトラフィックのロギング(記録)をしていなかったので、どの程度流れたかはわからないですが、ハンズオンが滞りなく進んだ結果を聞いて安心した次第です。

先のポストにもある通り、PocketWifiやWiMAXといった機器でWifiを作り過ぎると、無線が混線して通信が遅くなります。
この場合、有線…例えばUSBやEthernetによる接続により帯域を確保できますが、なるべくであれば1つのものを共有して欲しいと思います。

特に楽天さんの場合、最初からWifi APが多数導入されており、使える電波(チャンネル)が少ない状態でした。
そのあたりは強引に切り抜けた感じがありますが、上記の機器をお使いの方は頭に入れておいていただけると幸いです。

【最後に。】
7Fのネットワークを作ってくださった加藤さん、8FでもWifiの要件定義の相談に乗って頂けたり、窓際を通すケーブルを作ってくださったりと、大変助かりました。
LANケーブルを作るのも作ってみると意外と大変なのですが、一発でキメるのはなかなかです。ありがとうございました!

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